チェコの大洪水

先週起こったヨーロッパ各地を襲った洪水は、日本のニュースでも大きな話題になりました。
チェコ、ポーランド、ルーマニア、ウィーンは100年に一度といわれるほどの大雨が降り、
膨大な被害が出ました。


私の住んでいた南モラヴィアのブルノも川が氾濫しかけ、
近くの病院の患者は別の病院へ移送されました。
モラヴィアの雨が落ち着いたと思ったら今度は北東に雨が移り、私が長年勤務していた
オストラヴァ音楽院のあるオストラヴァも大きな被害を受けました。


最も被害を受けたのは北モラヴィアのオロモウツ、イェセニーク、クルノフ、オパヴァ、
オストラヴァ。
イェセニークは美しい山々に囲まれた自然の豊かなところです。
川は氾濫し、家々が一瞬にして流されていきました。
今のところ4人の死者がでています。
日本では毎年のように起こる洪水ですが、
あまり雨の降らないヨーロッパでは私たち日本人のように大雨に慣れていません。


こんな膨大な被害が出ているというのに、参議院選挙が予定通り行われる気が知れません。
政治家ってどこの国も同じなんだなとつくづく思います。
身勝手としか思えません。

洪水に飲まれたミクロヴィツェ村


雨はやっとのこと止んだけれど、
復興に向けてのこれからが大変です。
交通はいまだにめちゃくちゃ。
水もなかなかひいていかないようです。


それに加えてチェコの気温は10℃前後!!


日本は未だに酷暑ですから考えられないですね。
電気も通らないのでさぞ寒いでしょう。
暖炉がない家は凍えるしかありません。

可哀想に!!!


オストラヴァの同僚たち、生徒達は無事でした。
まずは一安心。

友人から送られてきた変わり果てた
ミクロヴィツェ村


友人の実家があるイェセニークにある小さな村、ミクロヴィツェは
甚大な被害を受けたといっていました。
ご両親は丘の上に住んでいるので助かったと。


なんという幸運!!

チェコがたびたび恋しくなりますが、
今このタイミングでいなくて良かった・・・
とつくづく思っていしまいます。
寒がりの私に10℃で暖房無しは耐えられるでしょうか・・。


日本人からは考えられないですが、
避難するように消防隊が促しても

”自分の家に残る!”


といって拒否した人たちがたくさんいました。
それであとになって”助けて!”
なんていってもあとのまつりですよ・・・。
やはり大雨が降ることがないので甘くみていたのでしょうか。


これを機にダムを増やすべきです。
オストラヴァの上司は、
”オストラヴァにダムを作るってもう70年も言ってる!!”と言っていました。


さすがヨーロッパ・・。

危機に遭遇しないとそんなお金のかかるものは作ってくれないのです。


これを機に危機感を持ってくれるといいのですが。
EUから寄付金も出るようなのでよかった。
でも軍隊が助けに行く様子もなかったし、どうなってるんだ??という感じ。
助けているのが消防隊だけって・・・。
その消防士の数も足りないようです。


チェコではこれまでに2002年,2006年,2009年,2010年,2013年と洪水が起こっています。


確実に温暖化が原因でしょう。


どうにかならないものでしょうか。


被害にあわれた方々に一刻も早く元の生活に戻れますように。

チェコを第2の故郷だと自負する私が今できるのは、

10000キロ離れた日本からただ祈ることのみです。