チェコの音楽学校

皆様こんにちは。


10月の更新に間に合わず・・もう11月です。
ブログを毎日更新している方を尊敬します・・・。


チェコはもう-2℃と友人がいっていました。
チェコの寒さが懐かしい!!
日本はやっと紅葉が始まりだしましたね。


さて、今日はチェコの音楽学校について紹介します。
チェコの学校は音楽学校も含め、ほとんどが国立です。
国が支えてくれているので授業料は無償です。


ということは入るのも狭き門です。


音楽学校はこの3つの段階に分かれます。

  • 国立基礎芸術学校   základní umělecká škola
  • コンセルヴァトワール  konzervatoř
  • アカデミー       akademie

国立基礎芸術学校はその名の通り、音楽の基礎を1から学ぶ学校です。
国立ですが、この基礎芸術学校のみ学費がかかります。


といっても日本人からみたらほぼタダのようなものです。


学校によっても異なりますが、基本は5歳から18歳までの子供たちが学びます。
1段階と2段階に分かれ、1段階は7年間、2段階は4年間のカリキュラムになります。
主科の他に必修で音楽理論、室内楽があります。
規模の大きな学校になると、演劇科もあります。
小規模な学校でもバレエ科と美術科はほぼ必ずあります。

楽器を習うなら各地にあるこの国立基礎芸術学校で習い始めます。
数は少ないですが、私立の学校もあります。


一言でいうと、日本でいう音楽教室の感覚です。
ただ、”学校”なので入試もあるし、進級試験、卒業コンサートもあります。
大半の生徒は趣味で習いに来ていますが、そこから本格的に音楽の道に進みたい人はコンセルヴァトワール(音楽院)へ進みます。

コンセルヴァトワールは6年制でチェコ全土には10校以上あります。
音楽はもちろん、バレエのみの独立した音楽院もあります。
一般的に16歳から21歳までの生徒たちが学んでいます。
ギムナージウム(大学へ行くための高校)を終えてから勉強しに来る生徒や、仕事をしながら趣味の一環として音楽を本格的に学びたい生徒もいます。
4年生は、卒業の年に匹敵する重要な学年で、Maturita マトゥリタという高校卒業に値する試験があります。
この試験に合格しないと自動的に大学入試へ行くチャンスはなくなります。

8年間勤務したオストラヴァのヤナーチェク音楽院


自分が高校生だったころを思い出すと、真面目に通ってそこそこの点数を取っていれば卒業できたので、
人生の一大事ともいえるMaturitaの存在を知った時は非常に衝撃的でした。
6年生で無事卒業し、大半の生徒が、最初に述べた国立基礎芸術学校で教え始めます。


優秀な生徒はその後アカデミー(音楽大学)へ進みます。

アカデミーはチェコには2校しかありません。


が、この2校に入れれば音楽を知らない人でも

”おおっ”というレヴェルです。


一校はプラハのAkademie Můzických umění 通称AMU、
もう一校は私が学んだ南モラヴィアのブルノにあるJanáčkova akademie múůzických umění
通称JAMUヤナーチェク芸術大学です。

昔は4年制だったそうですが、私の入る少し前から学部3年、院2年の計5年制になりました。
学部は科目数も多く、やることがとにかくたくさん!
院になると授業数もぐっと減るので少し楽になる・・・というのは妄想にすぎません。
院は実技にさらに磨きをかけるための課程、そしてもちろん論文があります。


別の回で改めてお話したいのでここでは軽く触れる程度にしておきますが、
入るのも大変だけれど卒業するのがとにかく大変。
特に外国人の私にとってはかなりの難関でした。


晴れて卒業したのちは、大半の人が教えることに重点を置きます。
プロの演奏家としてのみ活躍している人はチェコでもほんの一握りの人たちです。
更にもっと学びたい人は博士課程に進みます。
でもこれはうーん、正直な話、かなり派閥が関係しています。笑
まあ、日本もそうですよね。

こんな感じでざっとチェコの音楽教育システムをご紹介しました。

JAMUのコンサートホール

次回から国立基礎芸術学校、コンセルヴァトワール、アカデミーについてより詳しくお伝えしたいと思います。

お楽しみに!